![]() |
| 大正浪漫だぁ |
![]() |
| 洞窟風呂 誰だこいつ |
![]() |
| 大女将なのだ |
![]() |
| 水墨画の世界ですね |
![]() |
| 厳しい山登り |
![]() |
| 五大堂からの眺望 |
仙山線山寺駅で電車を降り、山寺の入口まで歩いていく間に、観光客の姿は見かけなかった。途中、雪掻きをしていた地元の人が「山寺へ行くのかい。階段がアイスバーンになってて登れないよ」と声を掛けて来た。「行けるところまで行ってみます」と答え、私と曾良が日枝神社の前まで来たとき、丁度下山して来た初老の夫婦に出会った。「登ってきたんですか?」と訊ねると「いえ、その先で諦めて帰ってきました」と、ご婦人の方が答えた。私は何故か急にやる気が出てきて、曾良に向って「良し、行くぞ!」と声を掛けて登り始めた。
今日は2月20日。今や山寺は、この時期を除いて芭蕉の言う、「閑けさや」なんてものは何処にもない。後は年中観光客で賑わっている。地元の人が言っていたアイスバーンはそれ程でもないが、所々に雪の吹き溜まりが出来ていて、階段どころか道さえ分からなくなっている。難所は3箇所あった。仁王門潜って直ぐの所と、納経堂から開山堂の間。そして開山堂から五大堂へ登る所で、殆ど垂直に近い雪の壁になっていた。それでも私は靴で足場を作りながら登っていった。五大堂にたどり着き、ひとしきり景色を眺めていると、曾良がトイレに行きたいと言いだした。私がその辺で遣れと言ったんだが、嫌だと拒否している。私も当為と必然性を持たない曾良をこれ以上付き合わせるは酷だ思い、下山することにした。下山途中せみ塚に立ち寄り、雪を被った石仏の写真を撮る。そういえば曾良は先程から口数が少なくなり、自分が足手纏いになったのを気にしているようだ。ところでトイレの件はどうなったんだろう。私が曾良に聞くと、「大丈夫」てか?
山寺から下山すると、向の丘の上にある「風雅の国」へ向った。此処には芭蕉記念館、美術館やみやげ物店。甘味処やレストランなどが点在してある。勿論、私の目的はレストランの馳走舎である。北欧風の天井の高い店内に入ると、ウエイトレスが景観の良いテーブルに案内してくれた。私が山形牛のステーキとワインを注文すると、曾良は急に元気を取り戻した。私はワインを片手に暫し今登ってきた山寺の雪景色を眺めいた。そして吸っていた煙草の灰を落とそうとテーブルに向き直ると、曾良は・・・こんどは酔ってやがる。
Yawara Yoshino