鳴子温泉

滝の湯と婆
この湯は最高!
陸羽東線
突然噴出した間欠泉
行き違いがあった峯雲閣
暫く間が空いたが温泉に行ってきました。仙台の先にある鳴子温泉です。東北新幹線を古川で降り、二両編成の陸羽東線で鳴子温泉駅へ。私は今まで鳴子温泉という名はあまりにも有名なので敬遠していたのだが、来てみると思っていたほど大きな温泉地ではない。それに今はシーズンオフとみえて、街中を歩いていても温泉客を殆ど見かけない。ところで、今回の私のターゲットは鳴子温泉街にある共同浴場「滝乃湯」である。なかなか評判の湯で一度入ってみたいと思っていた。目的の滝乃湯は大きな温泉ホテルの間にぽつんとあった。私がイメージしていた侘びた共同浴場と違って、小屋が新しくいやに立派に見える。それに婆が小屋の前で掃除をしている。別に婆が掃除していてもいいのだが・・・。
 とりあえずは小屋の前の木のベンチに座り一服することにした。私が婆に「一服させてもらいます」と声を掛けると、婆は此方に振り向きもせず「あぁ、どうぞ」と返事だけ返して来た。タバコを吸いながら何気なく婆を見ると、今度は洗い物をしている。私は「せったくだから温泉に入っていくかなぁ」と婆に聞こえるように言い、おもむろに立ち上がると、滝乃湯の二三軒手前の雑貨屋に置いてある、自動販売機に入浴券を買いに行った。私は自動販売機で入浴券を買うというのは何処か抵抗があったが、150円という値段でとりあえず納得した。
 戻ってくると、婆はすでに受付に座っている。理解はしていたようだ。入浴券を渡し中に入ると、直ぐに脱衣場であった。棚に衣服が無いところを見ると私以外に入浴客は居ないようだ。私は手早く衣服を脱ぎ浴場のガラス戸を開けた。風呂場に淡い硫黄の匂いが漂っている。負けた!これは一級の温泉だ。

宿泊は鳴子温泉ではない。吹上温泉である。鳴子温泉駅から町営バスで40分。鬼首温泉郷の間欠泉バス停で降り、間欠泉の前を通って、少し降りたところある峯雲閣という旅館である。ところで間欠泉であるが、一応見学しようか迷ったんだが、私は温泉が吹き上がるのをジッと待っているタイプの人間ではない。結局、止めることにした。ところが、私が間欠泉の横の道を旅館に向かって歩いていたら、急に吹き上げたのである。天才である私はその決定的瞬間をカメラに収めたが逆光であった為に芸術的な写真になってしまった。
 峯雲閣に着いて声を掛けると年配の女性が出迎えてくれた。玄関を入って突き当たりの階段を上り、左に折れた一番奥の部屋に通された。案内をしてくれた年配の女性は、部屋に入ると「何もお構いできませんが」と言うので、私はとっさに「別に構って貰おうとは思っていません」と答えたが、これはまずかったかなと少しだけ後悔した。私は早速温泉に入りに行くことにした。風呂場は階段を下りて右側、廊下の突き当たりにあった。手前が男湯、奥が女湯になっている。この風呂場自体はどうという特色があるわけでもない。この風呂場の片側がガラス張りになっていて外の滝と渓流が眺められる。この渓流沿いに滝を眺めながら温泉に浸かれる露天風呂が設えられている。これがこの旅館の売りである。私は風呂場のガラス戸を開け露天風呂へ向かった。今年は例年より暖かいとはいえ初冬の東北である。裸で渓流沿いを歩くにはかなり寒い。それでも、私はなるべく滝の近くまで行って露天風呂に入った・・・。あのババァー!幾らお構え出来なくても、一言ぐらい露天風呂は温いと言うべきだろう。

Yawara Yoshino

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